
「どっちにしよう」で1日が終わる人へ。性格タイプで分かる、あなたに合った決め方の見つけ方
「決められない自分が嫌い」と言う人のキャリア相談を、もう何百回受けてきたか分からない。でもそれ、あなたのせいじゃなくて脳の仕様なのだ。
💡 関連記事: 9つのタイプと無意識の欲求(心のエンジン)については、『エニアグラムが暴くモチベーションの正体(エニアグラムとは)』で詳しく解説しています。
ランチ。パスタかハンバーグか。たったそれだけの選択に5分を費やした自覚がある人、多いんじゃないだろうか。
Amazonのカートに3日間寝かせている商品がある。もう200回くらいレビューを読んだ。星4.2。悪くない。でもまだ検討中。いったい何回検討すれば気が済むのか、自分でも分からない。
もっと深刻なケースだと、この会社を辞めるべきかどうかで1年間悩んでいる。友達に相談するたびに結果どうしたいの?と聞かれて、それが分かったら悩んでないよと心の中で思う。 SNSにも『ENFp(広報運動家)なんだけど、極度の優柔不断と絶え間ない後悔に悩まされていて、人生の選択が一生できない気がする』という悲痛な声が投稿されていた。
優柔不断って、地味に辛い。決められない自分がダメに見えるし、周りに早く決めてよと急かされるたびに余計にフリーズする。
でも、ちょっと待ってほしい。
2025年に心理学の学術誌に載った研究によると、不安を感じやすい性格の人はキャリアに関する意思決定に困難を感じやすい、という相関が出ている。逆に、外向的な人や好奇心が強い人は、直感的な意思決定スタイルと相関していた。
つまり、決断力のあるなしじゃなくて、決め方のスタイルが人によってそもそも違う。
うちの数万件の診断データでも、意思決定にかかる時間は性格タイプによって最大3倍の差が出ることが数字で確認されている。遅いのは能力不足じゃなくて、処理プロセスが違うだけだったりする。
即断と熟考は脳の仕様が違う
ソシオニクスの記事で思考のクセの概念を解説しているけど、意思決定の場面でこの思考のクセの違いがめちゃくちゃ如実に出る。MBTIでいうP(知覚型)の特性を持つ人は、決めることよりも決めないことに安心感を覚える傾向があるため、他の選択肢を排除するのが怖くてずっと迷ったままになりやすい。
レストランのメニューを3秒で決める人の脳は、直感的に処理して即出力という思考のクセで動いている。一方、3分かけてメニュー表の裏まで読む人の脳は、全情報を収集して比較検討して最適解を算出という思考のクセで動いている。
どっちが正しいとかじゃない。Macで動くソフトとWindowsで動くソフトが違うのと同じ。ただ思考のクセが違うだけ。
4つの決め方スタイル
スタイル1:直感パッと決め
なんとなくこっちで動けるタイプ。根拠はなくても体の感覚が答えを知っている。レストランでは最初に目に入ったメニュー。転職先はなんかいい雰囲気だったから。
周りからはよくそんなに即断できるねと言われるけど、本人にとっては考えるまでもないことを早く片づけてるだけ。エニアグラムのタイプ7(冒険好き)やタイプ8(行動派)に多い。
強みはスピード。弱みは、たまにもう少し考えればよかったかもと一瞬だけ思うこと。ただしMBTIのJ(判断型)の人は、早く決断できる反面『恋愛で早く関係を進めた後に、他の可能性を考えてしまって後悔した』という体験談もネットで見かける。
スタイル2:情報収集してから決め
全選択肢を洗い出し、メリットとデメリットを表にして、最適解を導いてから動くタイプ。Amazonのレビューを星1から全部読むのはこのタイプの人。
強みは判断の精度が高いこと。この人がこれにすると言ったら、それは相当な裏付けがある。弱みは情報収集が永遠に終わらないこと。もう1つだけ調べてから……が無限ループする。
正直に言うと、情報は100%揃う瞬間は永遠に来ない。70%集まったら残り30%は実行しながら補うと決めてしまう方が、たいていうまくいく。パスタかハンバーグかを星5の精度で判断する必要は、ない。
スタイル3:周りを見て決め
みんどうする?やあなたならどっち選ぶ?と周りに聞いてから動くタイプ。自分ひとりで決めることに不安を感じる。
もし間違った選択をして迷惑かけたらどうしようが根っこにある。このタイプは他人の感情に注意を向けるため、他者に迎合してしまい優柔不断になることが多い。エニアグラムのタイプ6(安全重視)やタイプ2(人の期待に応えたい)に多い。
強みは、周りの状況を考慮した判断ができること。チームの意思決定では実はこのタイプが一番頼りになる。弱みは、人の意見を聞きすぎて自分は結局何が欲しいのかが分からなくなること。
処方箋はシンプルで、人に聞く前に5秒だけ自分だけの気持ちで言うなら?と自問する時間を作ること。5秒でいい。答えは意外と一瞬で出てくる。出てきた答えを聞いたうえで人にも相談する。この順番が大事。
スタイル4:気づいたらなんとなく決まってた
いつ決めたの?と聞かれてもえ、いつだろう……と答えるタイプ。明確な決断の瞬間がないまま、なんとなく一つの方向に収束していく。
締め切りギリギリまで動かない。でも大丈夫。無意識のレベルで情報を熟成させていて、直前にあ、こっちだなと腹落ちする。外から見ると先延ばしにしてるだけでは?と思われがちだけど、本人の中では地下水のように思考が流れている。 ただし内向型(I)の人などによくあるのが『選択した後に一人で思考がループして、あッチにすればよかったかもと自己肯定感が低下して後悔しがち』というパターン。一人で悩みすぎると抜け出せなくなる。
エニアグラムのタイプ9(平和主義者)に多い。会議の記事で触れた内向型の沈黙=何も考えてないわけじゃないと同じ構造。周りが待てるかどうかが唯一の課題。
即断即決が正義とは限らない
世の中のビジネス書を読むと速く決めろや即断即決が成功の鍵みたいなことが書いてある。
あれは直感パッと決めスタイルの人が書いた本だ。その思考のクセにとっては正しいけど、全タイプに当てはまるわけじゃない。
確証バイアスの記事で解説した通り、人間は自分のやり方が正しいと無意識に信じるバイアスを持っている。パッと決められる人は決められない人は能力が低いと思いがちだし、慎重に決める人は即断する人は軽率だと感じがち。お互い様だ。
大事なのは、自分のスタイルを知ったうえで、そのスタイルの弱点だけピンポイントで補うこと。スタイル自体を変える必要はない。
迷ったときに使える3つの問い
最後に、どのスタイルの人にも使えるちょっとしたコツを3つ置いておく。
どっちを選んでも、80点は取れると思い込む。100点の選択肢を探すから迷う。完璧主義の記事の話と通じるけど、完璧な選択なんて存在しない。存在しないものを探し続けたら、そりゃ決まらない。
5年後の自分は、この選択を覚えてるか?と考える。ランチでパスタにするかハンバーグにするか。5年後、絶対に覚えてない。5年後に忘れるレベルのことは、コイントスで決めていい。ある人がSNSで『不安や恐怖で迷っている時は、なんでもいいから動くと不安感が消えて論理的に考えられるようになる』とアドバイスしていたが、まさにそれだ。人生のリソースは有限だ。
一番マシなやつを選ぶ。一番いいやつじゃなく一番マシなやつ。基準を一段下げるだけで、急に選べるようになる。不思議だけど、マシで選んだ結果が事後的に最高だったということは実はよくある。
決められない自分を責める時間があったら、私は情報を集めてから決めるスタイルだから、調べる時間を先にブロックしようと自分の思考のクセに合わせた段取りを組む方がよっぽど建設的だ。
Aqsh Prismaの診断では、ソシオニクス(認知パターン)とエニアグラム(心のエンジン)を同時に解析して、あなたの性格タイプを出す。
あなたの決断スタイルがどのタイプで、何が判断を迷わせているのか。診断結果が、自分に合った「決め方」を見つけるヒントになるはず。
所要時間は約10分。アカウント登録不要、完全無料。
決断が遅いことは、弱さじゃない。千件を超える面談で確信したのは、自分に合った「決め方のルート」を知るだけで、あの苦しみは嘘みたいに軽くなるということだ。
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- 🔗 エニアグラムのタイプ別特徴やモチベーション管理については、『エニアグラムが暴くモチベーションの正体(エニアグラムとは)』もぜひご覧ください。 ※本記事は自己分析のフレームワークであり、医療的アドバイスではありません。
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この記事を書いた人
塚田 崇博
Aqsh株式会社 代表取締役
人材業界23年、累計1万人超の面談経験を持つ。ソシオニクス・エニアグラム・ソーシャルスタイル等の性格類型学に精通し、採用・育成・定着を一気通貫で支援。
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