
似合う正解を探しすぎて──診断沼から抜け出せない思考のクセ
性格診断を何十個も受けたけど結局よく分からない、という人が面談にやってくることがある。診断迷子になりやすいタイプにも、はっきりした傾向がある。
「この春は絶対イエローのカーディガンを着たい!」 そう思ってお店に行ったのに、鏡の前に立つと「でも私ブルベ夏だし……」「骨格ウェーブだからこの丈はダメだよね」と頭の中でサイレンが鳴り響く。 結局、無難なネイビーのクルーネックだけを買って帰り、クローゼットを開ければ似たような服ばかり。
自分を輝かせるために受けたはずの骨格診断やパーソナルカラー診断。 最近の知恵袋やSNSには、診断を受けたことでかえって自分を見失う迷子たちの悲痛な叫びが溢れている。
「複数のサロンで見てもらったけど結果がバラバラで、何を着ていいかもう分からない」 「型にはまった服しか選べなくなって、ファッションそのものがちっとも楽しくなくなった」
本来似合うを見つけるための強力なツールが、なぜ自分を縛る呪いに変わってしまうのか。 その理由は、結果そのものではなく、結果を受け取ったときのあなたの心の処理方法にある。なぜ服選びでこんなにも苦しくなるのかは、性格タイプ別にお金の使い方が違うのと同じように、無意識の価値観が強く作用している。
うちのプラットフォームの利用データを見ても、3つ以上の診断サービスを渡り歩いている人は全体の4割近くいて、その大半が「どの結果を信じていいか分からない」という混乱状態にあることが分かっている。
診断の罠にハマる性格
診断結果を絶対のルールとして過剰に適用してしまうのには、性格タイプごとの固有の理由がある。
ルールに縛られるSi型
過去の経験や枠組みを重んじる内向感覚が強い人は、正解を与えられるとそれを忠実に守ろうとする。 ブルベ夏は黄みのある色を避ける、顔タイプキュートは直線的な服を着ないといったルールを厳格に適用しすぎるあまり、本当に着たい服という自分の感覚を抑圧してしまう。
これを着たら失敗するかもしれないという恐怖が、本来自由であるはずのファッションを減点方式のテストに変えてしまうのだ。
他人の目を気にする
外向感情を持つ人は、周囲からどう見られるかが一番の関心事だ。 診断結果は、彼らにとって他者から見て魅力的な自分を保証する強力なパスポートになる。
だからこそ、SNSで大事故コーデのような情報を見ると過剰に怯えてしまう。 自分が着たい服装よりも他人から見て浮かない正解の服装を優先した結果、鏡に映った自分が誰だか分からなくなるという現象が起きるのだ。
正解探しが終わらない
外向直感が強い人は、常にもっと良いものがあるのではないかと探求し続ける。 一度の診断結果に納得できず、別のサロンなら違うことを言われるかも、実は別のタイプが混ざっているかもと、次々に別の診断を受け続けるセカンドオピニオン沼にハマりやすい。
終わりのない可能性の海で泳ぎ続け、気づけば似合う服ではなく絶対の正解そのものを探す旅になってしまっている。
型を破り自由を取り戻す
診断結果に縛られて苦しいなら、一旦そのスペックシートを机の引き出しの奥にしまおう。
診断は補助線にすぎない
多くのイメージコンサルタントが指摘するように、どんな診断結果でも絶対にNGな服はない。 ブルベだけど黄色を着たいからボトムスに持ってくる、骨格ストレートだけどゆるい服が着たいから素材だけ張りのあるものにする。 知恵袋の体験談でも、このように似合わせるための工夫の知識として診断結果を使い始めた途端、モヤモヤから解放されたという声が多い。
診断は、自分という絵を描くための単なる補助線だ。 補助線通りになぞる必要なんてない。線からはみ出したところにこそ、あなたの本当の魅力がある。
自分がどうありたいかという根源的な欲求は、パーソナルカラーよりも深い場所にある。 まずは16タイプ診断とソシオニクス等の深い自己分析を通じて、自分の心のエンジン(あなたを突き動かす価値観)を見つけ出すことが、本当の似合うを定義する第一歩になるかもしれない。
※本記事は自己分析のフレームワークであり、医療的アドバイスではありません。
診断は受けるものじゃなくて、使いこなすもの。何千人ものタイプ判定に携わってきた経験上、1つの精度の高い診断を深く掘る方が100倍価値があると断言できる。
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この記事を書いた人
塚田 崇博
Aqsh株式会社 代表取締役
人材業界23年、累計1万人超の面談経験を持つ。ソシオニクス・エニアグラム・ソーシャルスタイル等の性格類型学に精通し、採用・育成・定着を一気通貫で支援。
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