
なぜダメンズに貢ぐのか──貢ぎ癖がやめられない9つの心のエンジン
毎月のクレジットカードの引き落とし額を見て蒼ざめながらも、彼の甘えるようなLINE通知を見ると、無意識のうちに財布の紐を緩めてしまう。友人に真剣な顔で説教されるたびに、自分でも苦しい言い訳を並べて彼を擁護し、結局また彼にお金を振り込んでしまう。
お金を貸す、家賃を払ってあげる、彼が欲しがっていたブランド物を買ってあげる、さらにはマッチングアプリで出会ったばかりの男の借金をなぜか肩代わりさせられている。 客観的に見れば、どう考えても都合のいいATMとして徹底的に搾取されているだけなのに、なぜかその関係を手放すことができない。
現代のSNSや匿名掲示板を見れば、ホスト狂いや推し活といった分かりやすい消費行動だけでなく、自分の身近な恋人に対する貢ぎ癖で人生を破滅に向かわせている女性たちの悲鳴が無数に存在しています。
もしあなたが今、彼に貢ぐことでしか繋がれない関係に薄々気づきながらもそこから抜け出せずにいるのなら。この記事は、あなたにとって非常に耳が痛く、残酷な内容になるかもしれません。
あなたが彼に貢いでいるのは、愛情が深いからでも彼を助けたいからでもありません。 もっと根深くてドロドロとした、あなた自身の性格システムの根深い承認欲求というバグが、彼という存在をダシにして密かに暴走しているだけなのです。
愛という名のサンクコストと恩恵関係の罠
なぜ、頭の中の理性ではもうこんなことはやめなきゃとハッキリ分かっているのに財布を開いてしまうのか。 行動経済学の世界にはサンクコスト(埋没費用)の錯誤という有名な心理効果が存在します。これまでにこれだけのお金と時間を彼に投資してきたのだから、いまここで彼を見限って手放したら、これまでの私の苦労や支払ったお金がすべて無駄になってゼロになる。その強烈な恐怖が、あなたをさらなる泥沼へと引き摺り込んでいるのです。
さらにもう一つ、ソシオニクスの観点から非常に残酷な事実を突きつけます。貢がせる側と貢ぐ側の間には、恩恵関係という強烈で非対称な力学が働いていることが多々あります。
あなたは表面上、彼を助けてあげている可哀想で自己犠牲的な私を美しく演じていますが、深層心理の奥底ではお金という分かりやすいツールを使うことで間接的に男を支配し、繋ぎ止め、自分の存在価値を確認しているという極めてエゴイスティックな側に過ぎません。私が支えなければ彼は生活できないのではなく、お金を貢ぐという分かりやすい行為でしか自分を愛してもらう自信がないというのが、あなたが目を背けている本当のインサイトではないでしょうか。
推し活と貢ぎ癖の根底にある自己不在の病
近年、自分の好きなアイドルやキャラクター、さらにはホストに対して自分の限界以上の課金をし続ける推し活という言葉が市民権を得ています。これとダメンズへの貢ぎ癖は、表面的な対象が違うだけで、心のエンジンで起きているエラーコードは全く同じ構造をしています。
彼女たちは、自分自身の人生に誇りを持つことや、努力して自分を向上させることから完全に逃避しています。 その代わり、誰かに多額のお金を注ぎ込むことで疑似的な他者との強い結びつきを購入し、私の熱量と財力が彼を輝かせているという強烈な万能感を得ようとします。厳しい言い方をすれば、自分に価値がないと思っているからこそ、お金という絶対的な力を使って相手の人生に無理やり介入し、私がいなければこの人はダメになる状態を作り出すことで、自分という存在の空虚さを強引に埋め合わせているのです。
これは愛情ではなく、重篤な自己不在の病です。相手の幸せを願っているのではなく、自分の存在証明を彼の人質として預けているだけなのです。
あなたの貢ぎ癖はどこから? 9つの心のエンジン
人間には、無意識のうちに行動を決定づける根源的な欲求である、エニアグラムの9パターンのエンジンが存在します。あなたがお金を貢ぐとき、脳内でどのようなシステムエラーが起きているのか。その恐ろしい構造をタイプ別に解明します。
タイプ2(助ける人):愛を買うための課金
最も貢ぎ癖に陥りやすく、かつ最も重症化して破産まで行く危険性が高いのがこのタイプ2です。 彼らの心臓部にあるエンジンは他者から必要とされることでしか自分の存在価値を確認できないという強烈な欲求で動いています。彼にお金を渡した時の相手からの感謝の言葉は、タイプ2にとってどんな麻薬よりも強烈に脳内を満たす報酬です。【エニアグラム:タイプ2の解説】 彼らは無償の愛情などではなく、私を強く必要としてほしいという見返りの期待をお金に乗せて押し付けています。だからこそ、相手が浮気をしたり裏切ったりした時に私のお金を返せと激しい愛憎の反転を引き起こすことになります。
タイプ3(達成する人):トロフィーを維持するための投資
ステータスや周囲から自分がどう見られるかを極度に気にするタイプ3。 彼らが貢ぐ場合、相手がまだ無名の原石であったり、見栄えの良いイケメンであるケースが多く見られます。こんなに素晴らしい才能の原石を陰で支えている有能な私という自己プロデュースの費用として投資を続けてしまい、私がこれほど育てたのだからという実績への執着から損切りができなくなります。【エニアグラム:タイプ3の解説】
タイプ4(個性的な人):悲劇のヒロインへの出演料
人とは違う特別な人生を無意識に好むタイプ4にとって、平凡で穏やかな幸せは退屈の極みでしかありません。 どうしようもないダメンズと破滅的な恋愛をしている自分、周りの友人からいくら止められても周囲には理解できない彼だけの傷と魅力があるのだと孤独に耐える自分に、どこか深く酔いしれている部分があります。彼へのお金は、この美しい悲劇的恋愛ドラマの上演を長引かせるための自分自身へのチケット代なのです。【エニアグラム:タイプ4の解説】
タイプ6(忠実な人):不安をかき消すためのお布施
常に人間関係に不安を抱え、誰かに守られたいというエンジンで動いています。 彼らが貢ぐ理由は極めてシンプルです。お金を出さなくなったらこの関係が切れて捨てられるかもしれないという見捨てられ不安の強迫観念です。愛されている自信が根本的にないため、最も手っ取り早く相手を物理的に繋ぎ止められる手段にすがり相手の機嫌を金で買おうとする負のループから抜け出せなくなります。【エニアグラム:タイプ6の解説】
タイプ9(平和をもたらす人):面倒を避けるためのみかじめ料
波風を立てるのが何よりも嫌いで、人に拒絶の言葉を突きつけるのが苦手なタイプ9。 彼にお金を貸してと迫られたとき、本心では嫌だと思っていても、そこで断って彼が不機嫌になったり険悪な喧嘩になったりする面倒くささを想像すると、お金さえ渡せばこの場はとりあえず平和に収まると瞬時に計算してしまいます。これは愛情からの行動ではなく、トラブルを回避するための防衛本能的なみかじめ料のようなものです。【エニアグラム:タイプ9の解説】
その他のタイプは貢がないのか?
論理や完全性を重んじるタイプ1やタイプ5、独立心の強いタイプ8などは、感情に流されて自分のだいじなリソースを他人に無駄に吸い取られることを極端に嫌うため基本的にはダメンズに貢ぐことは少ない層です。 しかし、普段は完璧主義で厳しいタイプ1の女性が、たまたま出会ってしまった全く自立していない究極のダメ男に対して、彼を正しい人間に強制的に矯正したいという支配欲を拗らせて歯止めが効かなくなるという、極めて稀だが一度ハマると破壊的なケースも存在します。人間のシステムのバグは、どこに潜んでいるか分からないのです。
お金で繋ぎ止めた関係の行き着く残酷な結末
なぜここまで厳しい書き方をするのか。 それは、HRコンサルタントとしての現場経験や様々な人間関係のトラブルを見てきた中で、依存に金が絡んだ関係が幸せな結末を迎えた例を本当にただの一度も見たことがないからです。
あなたが彼にお金を渡すたびに、彼は頑張って働かなくてもこの女が泣きつけばお金を出してくれるのだと脳の回路を書き換えながら学習します。 心理学の専門用語で言えば学習性無力感を彼に植え付け、彼という人間を決定的にダメにしている最大の加害者は、他でもないあなた自身なのです。
あなたは無意識のうちに、彼からあなたなしでは生きられないという幻想の言葉を引き出すために、彼の自立する機会をわざと奪い彼をどんどんダメな人間に改造しているという事実に、いい加減に気づかなくてはいけません。
彼を変えるのではなく自分のOSのエラーを直す
私がもう少し我慢して支え続ければいつか彼も私の本当の愛に気づいて変わってくれるはずだ。
そんなお花畑のような幻想は、今日、この画面を閉じる瞬間に完全に捨ててください。 彼を変えようとする限りあなたはこの地獄の搾取ループから絶対に抜け出せません。あなたが本当に見つめ直さなければならないのは彼への態度などではなく、お金を払ってでも誰かにしがみついていないと呼吸ができないあなた自身のバグだらけの承認システムなのですから。
自分がどういう時に愛されていると感じ、どういう見捨てられ不安を持った時にATM化する異常行動に出るのか。 私たちが提供している性格診断では、あなたが普段絶対に目を背けているその心の奥底にあるドロドロとした本当の欲求を冷徹なデータとして突きつけます。
現実を見るのは怖いかもしれません。 でも、その恐怖から逃げてお金で目隠しをし続けた数年後。お金も若さも、そして誰かを真っ直ぐに愛する正常な感覚もすべて失ってから後悔しても遅いのです。
自分がどんなアーキテクチャで動いている人間なのかを知り、お金の介在しない関係の中にしか本当の安心感はないのだということをどうか思い出してください。
あなたの価値は、財布から出されるお札の束の厚さなんかで決まるものでは絶対にないのです。
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この記事を書いた人
塚田 崇博
Aqsh株式会社 代表取締役
人材業界23年、累計1万人超の面談経験を持つ。ソシオニクス・エニアグラム・ソーシャルスタイル等の性格類型学に精通し、採用・育成・定着を一気通貫で支援。
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