
10円の節約で心がすり減る──ポイ活疲れと性格タイプの関係
ポイ活やクーポン集めに疲れている人の相談って、キャリア面談の合間にポロッと出てくることが多い。何百人と話して気づいたけれど、節約疲れにもタイプごとのクセがある。
「あっちのドラッグストアのアマニ油のほうが10円安かった……」
休日の夕方、重たいエコバッグを両手に提げて帰り道を歩きながら、さっき見た特売のポップを思い出して激しい後悔に襲われる。 家に帰れば、ポイントサイトのルーティン巡回が待っているし、クレカのキャンペーンエントリーも忘れてはいけない。複数のアプリを管理すること自体が、もはや無給の仕事のようだ。
知恵袋などでは、こうしたポイ活疲れや節約ストレスの相談が後を絶たない。 「ポイ活に時間を取られすぎてタイパが悪く感じる」 「ポイントを貯めるために不要な物まで買ってしまい、逆に無駄買いが増えている気がする」 中には、数円にこだわっている自分が貧乏くさくて急に自己嫌悪に陥る、といった切実な声も綴られている。
物価高への不安から始めたはずの節約とポイ活。少しでもお得にという工夫だったのに、心も体もなぜすり減るのか。 その執着の正体は、あなた自身が持つ心のエンジン(エニアグラムのタイプ)が暴走を起こしているサインかもしれない。お金に対する不安の根源は、あなたが無意識に抱える囚われから発生しているからだ。
うちの診断データで生活習慣傾向を見ると、コツコツ型の節約が得意なタイプとそうでないタイプで、金銭ストレスの質がまるで違うことが見えてきている。
節約が執着に変わるワケ
お金の不安は誰にでもある。 でも、その不安との向き合い方は人それぞれだ。
お金の価値観は性格タイプによって違うという記事でも触れた通り、お金を自由のパスポートと捉える人もいれば、身を守る城壁と捉える人もいる。
ポイ活やマイクロな節約で消耗しやすい人は、お金をコントロールの象徴として見ていることが多い。 自分の人生や将来の見通しが立たない不安を、10円安く買えた、100ポイント貯まったという目先の小さなコントロール感で埋め合わせようとしているのだ。
消耗する3つの性格と心理
エニアグラム(心のエンジン)の視点から見ると、ポイ活の沼にハマりやすいのは以下の3つのタイプだ。
損をすることが怖いタイプ6
安全を最も重視するタイプ6にとって、ポイ活は将来への不安を和らげるためのお守りだ。 しかし同時に、タイプ6は損をすることを極端に恐れる。
だから、A店で買うのが一番お得だと思ったのにB店のほうが安かったという事実に直面すると、単なる数十円の差額以上のダメージを受ける。まるで自身の危機管理能力が甘かったと強烈に責められているように感じてしまうからだ。
完璧を求めるタイプ1
完璧さを求めるタイプ1は、ポイ活のルールやキャンペーンを熟知し、それを完璧にやり遂げることに執着する。 毎月5のつく日はポイント5倍だからこの日に日用品をまとめて買うべきだという厳格なルールを自分に課し、それを1日でも逃すと強い罪悪感に苛まれる。
節約の手段だったはずのルールが、いつの間にか絶対に破ってはいけない義務にすり替わってしまうのだ。
効率化のゲーム化にハマる
効率と達成感を愛するタイプ3は、最初はゲーム感覚でポイ活を始める。いかに少ない手間で多くのポイントを手に入れるかを最適化していくのはドーパミンが出る作業だ。
しかし、その効率化の追求は天井知らずに行き過ぎる。 最終的には数ポイントのために毎日30分スマホをタップし続けるという、本来の効率化とは真逆の事態に陥り、疲労感だけが残る。
疲れない節約へのシフト
10円の節約で心がすり減るなら、今すぐルールを変えたほうがいい。実際にストレスなく節約している人の多くはゆるポイ活へとシフトしている。
自分の時給を再計算する
タイプ3の人や合理派の人は、その数百円を得るために自分の時間を何分使ったかを計算してみよう。 30分かけて隣町のスーパーに行き50円安くキャベツを買ったなら、あなたの休日の時給は100円だ。 その時間でゆっくりお茶を飲んで心を休めたり、大きな固定費(通信費など)を一度だけ見直す方が、精神的にも金銭的にもよほどお得になるはずだ。
予算管理しない余白を設ける
タイプ1やタイプ6の完璧主義さんは、ポイントの管理を一旦ゆるめてみてほしい。 おすすめなのは、月に5000円は一切管理せずに自由に使っていい消えモノのお金を作ることだ。
少し割高なコンビニのコーヒーを買ってもいいし、気になった新作のお菓子を値段を見ずに買ってもいい。 管理しなくても生きていけるという小さな証明を繰り返すことで、お金への極度な執着をほどいていくことができる。
節約は手段であって、目的ではない。あなたを突き動かしている不安の根源は本当にお金だろうか? まずはエニアグラムの囚われを理解することで客観視し、その執着の裏側にある本当のSOSに気づくことから始めよう。
※本記事は自己分析のフレームワークであり、医療的アドバイスではありません。
節約が続かないのは意志が弱いからじゃない。何千件ものライフスタイルの悩みを聞いてきて、脳の仕様に合わないやり方を強いている人が多すぎると感じるのだ。
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この記事を書いた人
塚田 崇博
Aqsh株式会社 代表取締役
人材業界23年、累計1万人超の面談経験を持つ。ソシオニクス・エニアグラム・ソーシャルスタイル等の性格類型学に精通し、採用・育成・定着を一気通貫で支援。
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